2018年10月21日(日)に行われましたプリンセス駅伝で、
大会の運営の対応が話題となっています。
今大会で脱水症状で倒れた岡本春美選手や骨折した飯田怜選手に対して
競技をすぐに止めることはできなかったのでしょうか。
目次
プリンセス駅伝運営の今回の対応
右脛骨骨折の飯田怜選手の様子と運営の対応
2区走者だった岩谷産業の飯田怜選手は順調に走行していました。
しかし、次の走者まで残り200mくらいのところから
四つん這いになって進む飯田怜選手がテレビに映りました。
このとき飯田怜選手は全治3~4か月程度の骨折していましたが、
次の選手にタスキを渡すまで競技を辞めませんでした。
大会の関係者は寄り添うように飯田怜選手と一緒に進んでいましたが、
競技を中止させることはしませんでした。
脱水症状の岡本春美選手の様子と運営の対応
三井住友海上の岡本選手まずい😱💦#プリンセス駅伝 pic.twitter.com/Rd9IbuHJ1N
— じゅんや (@Junya_Momone) 2018年10月21日
3区でトップを独走中だった岡本春美選手でしたが、
あと2kmというところでフラフラになり蛇行走行を始めました。
意識朦朧のなか、何とか折り返し地点を過ぎ、
それから沿道に倒れ込んで棄権となりました。
倒れ込んだあとも、大会の関係者は付近にいるのですが、
救助がなかなか始まりませんでした。
プリンセス駅伝運営のコメント
今回の事態を受けて、10月22日に会長名で
ホームページにコメントを発表しました。
10月21日に開催いたしました第4回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会予選会「プリンセス駅伝」のレース中に起きましたアクシデントについては多くの皆さまにご心配をおかけいたしました。
当連合といたしましては、今まで以上に選手の安全を第一に考えた大会運営を実施するとともに、レース中の大会本部と審判、チーム責任者との連絡方法などを検証し、競技運営主管である陸上競技協会並びに関係先団体と早急に改善策を講じる所存です。
引き続き当連合の活動につきご支援を賜りますようお願い申し上げます。 出典:一般社団法人日本実業団陸上競技連合HP
また、一般社団法人日本実業団連合の鎌倉光男事務局長は、
「意識がないなど明確に続行不可能な場合は審判の権限で止めることができるが、
今回のような場合は難しい」
さらに、
「今後のあり方を協議していきたい」
と話したそうです。
プリンセス駅伝運営の問題点
監督がリタイヤを申し出ていたがすぐに伝わらなかったこと
が一番の問題です。
連絡体制の不備です。
飯田怜選手が所属する岩谷産業の広瀬監督は、
異変に気付いてすぐにリタイアを申し出ていたそうです。
(2度も申し出ていたそうです)
今大会では、監督は選手に伴走することはできないため、
各チームの監督は別室の監督室にてライブ映像で選手の様子を確認していました。
運営を通して、飯田怜選手と並走していた大会関係者へリタイヤの旨が伝わった時、
もうすでに残り15メートル程度だったそうで、
「見守ってしまった」とその関係者は説明したそうです。
また、岩谷産業広報部は監督のリタイヤ要請が伝わらなかったことに対し、
同じことが起こらないように改善を願っているとコメントを発表しました。
運営の今後について
選手はこの大会で勝ち進むために厳しいトレーニングを長期間続けてきましたし、
駅伝という性質上、リタイアすることはチーム関係者全てに迷惑を掛けてしまう
という思いで競技をしています。
選手が自身の異常に気付いてもリタイアはなかなかできません。
実際、飯田怜選手は監督からのリタイア要請を拒否し、
レース続行を希望したそうです。
ですので、連絡体制を見直して再発を防ぐことはもちろんですが、
例えば、選手が「普通でない状態になった場合は即失格とする」といった
ルールの整備も必要なのかもしれません。
今後、同じようなことが起こらないことを願っています。