バスケットボールプレーヤーの八村塁選手はネイティブ並みに英語を流暢に話します。
ですが、八村塁選手は元々英語が話せたわけではなく、アメリカ行きが決まった高校生の時から猛勉強して身につけたんだとか!
いったい八村塁選手はどのようにしてこれほどまでの英語力を身につけたのでしょうか?
この記事では、八村塁選手が英語力を上げるために行った方法や、物凄い猛勉強エピソードを紹介します!
八村塁の現在の英語力が分かるインタビュー動画
この動画は2019年6月20日(現地時間)に行われたNBAドラフト会議での八村塁選手のインタビュー動画になります。
同時通訳無しの動画になりますので、八村塁選手の英語が聞き取りやすいかと思います。
この動画を見てみると、八村塁選手が英語が全く話せなかったとは思えませんよね!
英語が専門の方が聴くと違うのかもしれませんが、元々英語を話していたかのような流暢な英語に管理人は聞こえます。
八村塁選手は英語習得には本当に苦労したようです。
八村塁は英語が全く話せなかった
八村塁選手の父親はベナン共和国出身で、公用語はフランス語ですが英語も話せます。
一方、八村塁選手の母親も英会話講師のため、バリバリ英語を話すことができます。
そのようなご両親ですので家でも英語が使われてると思いきや、会話は日本語のみだったんだそうですよ。
両親について詳しくはこちら:八村塁の両親はどんな人?父は元バスケ選手で母は英会話講師!
そのような環境でしたので八村塁選手は英語は学校の授業で習う程度でした。
さらに、英語が苦手で勉強していなかったらしく、中学校の英語の成績は10段階で2だったんだとか。
八村塁選手は両親に教えてもらっておけば良かったなと、昔を振り返って話しています。
八村塁の英語力アップの勉強方法 ~高校時代編~
ゴンザガ大学入学に必要な学力基準とは?
まず、八村塁選手がスカウトを受けたアメリカのゴンザガ大学への入学基準を整理します。
日本人の高校生でNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1の強豪校からスカラシップ(奨学金付き)選手でのスカウトは八村塁選手が初めてになります。
そんな八村塁選手がゴンザガ入学するために以下の2つの基準のクリアが必要でした。
- GPA(高校の評定平均値)とSAT(大学進学適正テスト)
- ゴンザガ大学のESL(英語を母国語にしない学生のための準備学校)
1についてはNCAAが定めた基準で、2についてはゴンザガ大学が規定する基準になります。
GPAは高校の在学中の成績になります。
SAT(Scholastic Assessment Test)のテスト内容は、簡単に言うと英語と数学です。
ただし、問題文も全て英語ですので、ある程度の英語力が無ければ数学の問題も解けません。
そして、GPAとSATをクリアしても、ESL(English as a Second Language)という壁が立ちはだかります。
ESLとは英語を母国語としていない人に向けた語学学校。
このESLにてゴンザガ大学が規定している成績基準に達することができれば、八村塁選手は晴れて入学となります。
まずは八村塁選手はSATの基準突破に向けて、猛勉強することになりました。
外国人講師のマンツーマン指導
八村塁選手はアメリカ留学が決まった高校3年生の時から、本格的に勉強を開始します。
明成高校のバックアップもあり、八村塁選手へのマンツーマン指導が行われました。
数学は担当教員を中心に。
英語についてはアメリカ人のネイティブスピーカーと昼食後にレッスン。
さらに、夏休みに富山に帰省する際も一緒に来てもらい、貸会議室で勉強。
明成高校がある仙台から実家の富山まで来てもらうってかなり凄いですよね!
そして、教員や講師に教えてもらう以外にも、八村塁選手は時間があれば勉強に励みます。
土曜日の練習前の午前中や練習後の夜も残ってひたすら勉強。
本当に休む暇もありません。
そして、八村塁選手はバスケットの練習もおろそかにはしていませんでした。
八村塁選手が高校3年生の12月に行われたウィンターカップで3連覇を成し遂げます。
八村塁選手にとって、アメリカの大学へ行くことやウィンターカップ3連覇の目標は相当なプレッシャーだったんだとか。
それでも、バスケットが上手くなりたいという一心で気持ちを保ち続けたんだそうですよ!
ウィンターカップ優勝後も、八村塁選手はSATの基準クリアに向けて努力し続けました。
八村塁の英語力アップの勉強方法 ~大学入学前編~
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明成高校の寮に残って勉強してSATクリア
八村塁選手は2016年3月に明成高校を卒業します。
ゴンザガ大学入学は9月ですので、なるべく早い段階でSATの基準をクリアする必要がありました。
八村塁選手は高校卒業後も明成高校の協力で、バスケ部の寮に残って勉強を続けることにします。
夕方からはバスケ部の練習にも参加しながら、この期間は1日に7~8時間の勉強をし続けたんだとか!
そのような猛勉強の末、八村塁選手はSATの基準をクリアします。
八村塁選手がこの1年間でSATを受けた回数は5回でした。
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ESLでも猛勉強
八村塁選手はNCAAの学力基準をクリアしたので、ゴンザガ大学のESLに通うために2016年5月に渡米することになります。
ゴンザガ大学は八村塁選手に対して、
- ESLに通って3ヶ月で英語力を入学基準まで上げる
- 入学後にはチューター(家庭教師)をつけて授業についてくる
という条件でビザを発行してくれました。
八村塁選手にはESLの大学基準をクリアできないという想定は無く、必ず入学するという覚悟がありました。
そのような状況のなか、2016年5月の渡米後から11月の開幕戦までの間、八村塁選手や大学からのコメントは一切出てきませんでした。
その理由は、ゴンザガ大学側が八村塁選手に集中して勉強してもらうための配慮だったのです。
八村塁選手自身も英語の勉強はもちろんのこと、慣れないアメリカでの環境に毎日必死だったんだとか。
大学1年生の時に約半年ぶりにインタビューに答えた八村塁選手は次のように話しています。
──ここまで達するのに、勉強がすごく大変だったと思うのですが、その手応えは?
八村 はい。すごいです。この6カ月間の勉強が、僕の今までやってきた全部の勉強に達するくらいなので……。もう、やばいです。本当に、本当にやりました。
八村塁選手がここまで言うということは、本当に頑張ったからなんでしょうね!
猛勉強の末にゴンザガ大学入学を果たしました!
八村塁の英語力アップの勉強方法 ~大学時代編~
NCAAでは入学後も一定の成績を満たさなければ公式戦には出場できません。
英語の猛勉強して大学入学を果たした八村塁選手でしたが、ゴンザガ大学1年生の時はほとんど日本語しか分かりませんでした。
元々留学生が多い大学なのですが、英語が話せないのは八村塁選手だけだったそうです。
そんな環境のため、八村塁選手は次第に無口になっていき、チームメイトの前では静かになってしまいました。
そのため、英語が分からない時はごまかすために、にっこり笑ってうなづくようになったそうです。
監督が指示を出しても理解出来ない八村塁選手は、にっこり笑うことしかできませんでした。
この時を振り返って八村塁選手は英語が分からないことが本当にストレスだったそうです。
バスケットの練習だけではなく、それ以外の全てのことに支障をきたしていたのだから。
そのような状況だった八村塁選手は、どのようにしてネイティブ並みの英語力を身につけたのでしょうか?
自ら英語漬けの生活を選択
八村塁選手は大学に入学して本格的に学業を学ぶことになります。
1クラスが20人程度の授業だったそうなので、受け身の姿勢ではなく積極的な態度で臨まなくてはいけません。
大学入学までは主に英語の勉強をしていた八村塁選手でしたが、英語以外の科目を英語で学ばなくてはいけなくなります。
さらに授業によっては多くの宿題が出されるものもあり、八村塁選手は本当に勉強漬けの毎日を送ることになりました。
ここで学業がおろそかになってしまえば、公式戦にも出場できなくなるので八村塁選手も必死の毎日を過ごします。
八村塁選手には非公式ですが通訳の方が付いていました。
ケン・ナカガワさんという方です。
この方はゴンザガ大学の卒業生でチームのビデオ・コーディネーターだそうですね。
ビデオ・コーディネーターは簡単に言うと、試合や練習の映像をデータベース化・分析する方です。
八村塁選手はケン・ナカガワさんに、なるべく日本語を使わないようにお願いしたんだとか。
ケン・ナカガワさんは大学1年生の時の八村塁選手のことを、クレイジーだったと話していました。
八村塁選手は1年目の年は全く休みを取らないで勉強していたんだそうです。
バスケットの練習でコートにいるか、教室で授業を受けているか、大学がつけてくれた家庭教師と勉強しているかだったんだとか。
八村塁選手は試合の遠征の飛行機の中でも、ひたすら勉強をしていたそうです。
ドラマやラップもフル活用
八村塁選手は英語を勉強するときには音楽やメディアも使っていたそうです。
主に参考にしたものが、
- テレビ、映画
- ラップ
- ビデオゲーム
だったんだとか。
例えばテレビでは、ヴァンパイア・ダイアリーズや、ストレンジャー・シングスというドラマをよく観ていたんだそうですよ。
八村塁選手は初めは興味が無かったそうなのですが、観ていくうちにハマっていったんだとか。
この他にもたくさんのテレビ番組やNetflixで映画を観たりして、英語力を上げていきました。
八村塁選手は音楽もよく聴いていて、ラップの歌詞も英語を身につける上で凄く役立ったと話しています。
時にはキャンパス内をヘッドホンをして歩き回って、歌詞の意味も分からずに叫ぶこともあったんだとかw
コダックブラックやドレイクというラッパーの曲が好きでよく聴いていたんだそうです。
あとビデオゲームも役に立ったんだとか。
これらのおかげで最初のシーズンが終わるころには、八村塁選手は少しずつ会話にも自信がついてきて明るく振る舞えるようになりました。
英語の夢を見るようになり、そのことが嬉しくて明成高校時代の担任の先生にメールしたこともあったそうですよ。
チームリーダーとしての責任
八村塁選手の1年目のNCAAトーナメントは、28試合に出場して、平均出場時間は4.6分です。(試合時間は前半20分、後半20分の全40分)
チームの監督のマーク・フュー監督が言うには八村塁選手の英語力は、1年目は10%、2年目は40%、3年目は100%通じるようになったんだそうです。
10%の意思疎通ではいくらバスケットの能力があっても試合で活躍することは厳しいですよね。
ですが、八村塁選手は猛勉強と努力により年を追うごとに英語力に磨きをかけていきます。
その過程でチームメイトとのコミュニケーションも取れるようになり、八村塁選手のバスケットの技術も各段にレベルアップしていきます。
2年目には37試合に出場して、平均出場時間は20.6分でした。
そうして、3年目にはマーク・フュー監督からチームリーダーを任されました。
リーダーをやるからにはチームメイトに積極的に声を掛けていかなくてはいけません。
その責任感からも八村塁選手の英語力は更に上達していったんだと思います。
3年目のNCAAトーナメントには37試合に出場して、平均試合出場時間30.2分でした。
そして、八村塁選手は大学4年生でのプレーを見送り、NBAドラフトにアーリーエントリーすることになります。
以上、八村塁選手の英語力についてでした。
英語力の習得は八村塁選手自身の努力の成果だと思いますが、本人は周囲の協力が無いとできなかったと話しています。
その謙虚な姿勢が多くの人を惹きつけるのですね。
八村塁選手の活躍を心より応援しています!
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