韓国の世界的人気グループBTS(防弾少年団)のメンバージミンさんが、
通称「原爆Tシャツ」を着用していたことが大きな騒動となっています。
反日行為ではないかという声も多く、
日韓両国の関係悪化という問題にならないか心配されます。
そこで、この記事ではBTSのジミンさんが着ていたTシャツについて、
その意味や制作ブランドなど、深掘りして調べてみましたので紹介します。
BTSの反日原爆Tシャツ騒動の発端
BTSジミンが原爆Tシャツを着た画像が撮られたのは1年以上前
話を分かりやすくするために、簡単に今回の騒動をまとめてみます。
BTSジミンさんが原爆Tシャツを着たのは2017年3月頃になります。
着用は2回しているようですが、2回目にファンの方から指摘があったらしく、
それ以降は原爆Tシャツは着ていないようです。
原爆Tシャツを着ていたのはコンサート中ではなく、
それとは無関係のオフの時とのことです。
ジミンさんはこのTシャツを自分で購入したのではなく、
マスターさん(個人ファンサイトの管理人)からのプレゼントらしいです。
その後、ツイッターではジミンさんが原爆Tシャツを着ていた画像が
拡散してはいたのですが、大きく取り上げられることはありませんでした。
しかし、あることをきっかけに一気に世間の人達へ知れ渡ることになります。
BTSジミンが原爆Tシャツを着た画像を日本の新聞社が報道
2018年10月25日に日本の東京スポーツ新聞社に
BTSに関する記事が報道されました。
この時、BTSの過去の反日と疑われるいくつかの行動も報じているのですが、
そのなかでも大々的に、ジミンさんの原爆Tシャツに関して報じていました。
ここで終わっていれば大きな騒動にはならなかったと思いますが、
この報道に対して、韓国紙が猛反発してきたことで話が大きくなり
一気に知れ渡ることとなります。
反日原爆Tシャツの意味
原爆Tシャツのコンセプトの「光復節」とは
韓国では原爆Tシャツのことを「光復節Tシャツ」
と呼んでいるようです。
「光復節」(こうふくせつ)は、
日本ではあまり聞きなれない単語ですよね。
韓国では、日本の終戦記念日である1945年8月15日を
日本統治下からの独立や解放を祝う日として祝日となっています。
韓国にとっては、この日は喜ばしい日ということになるのですね。
原爆Tシャツにプリントされている文字
それではTシャツを詳しく見ていきましょう。
まず、上部ブロックです。
プリントされている文字に注目してみるとTシャツには、
PATRIOTISM OURHISTORY LIBERATION KOREA
という文が8行プリントされています。
7行目は、OURHISTORYという単語が赤字で強調され、
それ以外の単語は上下逆さまになっています。
ここで、文のなかの英単語の意味を1つずつ見ていくと、
以下のようになります。
PATRIOTISM 愛国主義、愛国心 OURHISTORY 私たちの歴史 LIBERATION 解放 KOREA 韓国
まとめると、上部ブロックにプリントされている分の意味は、
「私達の(歴史的)愛国心が韓国を解放した」
という感じでしょうか。
次に下部ブロックを見てみます。
プリントされている字が小さいですが拡大してみると、
上部ブロックと同じ単語がプリントされていることが分かります。
PATRIOTISM OURHISTORY LIBERATION KOREA
を3回繰り返した文を1行として、それが18行プリントされています。
以上から分かりますように、文字として書かれている内容としては、
ひたすら韓国の独立を喜んでいるものと言えます。
原爆Tシャツにプリントされている写真
原爆Tシャツには2枚の写真がプリントされています。
上部ブロックの写真は、
問題となっているきのこ雲の写真です。
この写真は、長崎の原爆投下時に
アメリカの飛行士が撮った写真のようです。
次の下部ブロックの写真ですが、多くの人々が「万歳」をしています。
これは、終戦の日である1945年8月15日に、日本の植民地支配から独立する
「光復」を喜んで万歳をしている韓国人の写真です。
この写真はウィキペディアによると「西大門刑務所を出所した政治犯」
というタイトルがついています。
(写真は1945年8月16日に撮られたものです)。
文面と万歳の写真から独立を記念したTシャツということは充分理解できるのですが、
やはり、原爆の写真が必要だったのか疑問に思います。
反日原爆Tシャツの制作者側からの意味
原爆Tシャツを制作したブランド詳細
原爆Tシャツを制作したのは、韓国の「LJカンパニー」という会社の
「ourhistory」というブランドです。
このブランドにはほかにも、
竹島や終戦をモチーフにした商品が作られているそうです。
このブランドメーカーは、このような反日を思わせる商品を
製作することで有名だという話もあります。
制作ブランドのデザイナーが謝罪
この騒動を受けて、11月9日に制作ブランドのデザイナーで
LJカンパニー代表のイ・グァンジェ氏が韓国メディアの取材に応じて
コメントを発表したようです。
TシャツのデザイナーであるLJカンパニーのイ・グァンジェ代表は、韓国メディアの取材に応じ「反日感情と日本に対する報復などの意図があるわけではなかった」と明かした。
また「ブランドをスタートさせた当時、ストリートファッションが流行していた。そのとき、私自らが歴史に関心を向けており、若者たちが着るファッションに歴史意識を込めれば、少しでも歴史に興味をもってもらえるのでは、と考えて(Tシャツ)をつくった」と経緯を説明。
イ代表は、問題となった原爆の写真について「その部分は、日本をばかにするような気持ちはなかった。原爆が投下され、日本が無条件降伏したために、韓国は解放されたという歴史の順序を表現するものだった」と伝えた。
さらに、JIMINが着用して日本で物議を醸し、「防弾少年団」が日本の音楽番組「ミュージックステーション」への出演が取り消しとなったことについて「昨日その事実を知り、とても動揺し、申し訳なく思っている。反日感情を助長しようとする意図はなく、その点でも防弾少年団に対して申し訳ない」と心境を明かした。 出典:WoW!Korea
このコメントでは、制作者側としては「反日」を否定していますね。
歴史の順序を表現するために原爆の写真を使ったと言っています。
「若者にも歴史に興味を持ってもらいたい」という考えは素晴らしいと思いますが、
もう少し、ふさわしい写真はなかったのでしょうか。
原爆Tシャツに制作ブランドが込めた本当の意味
原爆Tシャツを販売する「ourhistory」公式サイトには
以下の商品の説明文が記載されいています。
これはどういう意味かというと、
「国を奪われて日本の植民地支配を受けた日本植民地時代という 長い闇の時間が過ぎ、国を取り戻し、明るい光を取り戻した日がすなわち光復節です。 1945年7月26日、米・英・中は「ポツダム宣言」で日本の戦後処理方針を明示するとともに、 降伏を要求しました。 日本がこれを無視すると、アメリカは8月6日広島に、9日長崎に 原子爆弾を投下し、日本は長崎への原爆投下の6日後の8月15日に 連合軍に対し無条件降伏を宣言し、9月2日に降伏文書に署名して、 公式に太平洋戦争と第二次世界大戦が終わりました。 韓国の光復をTシャツで表現してみました。 ルーズな感じで製作されたロングスリーブTシャツです」
また、「ourhistory」商品には次の画像にあるようなタグがつけられています。
これを訳してみると、
「”過去を忘れた民族に未来は無い”をスローガンとして 愛国心を込めて歴史をファッションに再解釈しようと努力しました。 ourhistoryは利益の一部を歴史発展を支える団体に寄付します よい趣旨でファッションを取り扱う、ourhistoryになります。」
このブランド商品の制作意図がしっかり書かれていますね。
「過去を忘れた民族に未来は無い」というスローガンのもと
商品を制作しているようです。
イ・グァンジェ代表は「反日感情を助長する意図はない」と言っていますが、
反日ととらえられても仕方ない文面かもしれません。
原爆Tシャツはクレームにより商品名が変更されていた
原爆Tシャツの商品名は「光復節ロングシャツ」ですが、
元々は違ったようです。
当初は、「bomb long sleeve」という商品名だったらしいです。
「sleeve」は袖という意味ですので、
商品名としては「爆弾(原爆)ロングシャツ」といったところでしょうか。
これでは、「爆弾」という単語をメインで商品タイトルをつけているので、
「歴史の順序の表現のために原爆の写真を使った」
という代表の謝罪とは少しずれてしまうような気がしますよね。
結局は、韓国の消費者からクレームがあり、
現在の商品名に変更したとのことです。
BTSの反日Tシャツ騒動後に品切れ状態に
今回の騒動後、原爆Tシャツは品切れ状態になっているそうです。
「ourhistory」の公式サイト以外は、「売り切れ」か「販売中止」
となっており、購入することはできないようです。
公式サイトの方も「出荷待ち」状態となっていますが、
購入することはできるようです。
ただし、デザイナーが謝罪したにもかかわらず
増産するって一体・・・。
定価は49,000ウォン(日本円で4,900円)です。
以上、BTSジミンさんが着ていたTシャツについてでした。
徴用工問題で関係悪化が懸念される中の騒動ですので、
今後の日韓関係が本当に心配になります。
両国にとって事態が良い方向へ進むことを願っています。